ミネラルウォーターの分類と効用
ミネラルウォーターとはどのような水のことを言うのでしょうか。あまり知られていないミネラルウォーターの定義、種類やミネラル成分の特長に触れていきます。
ミネラルウォーターの種類と特徴
飲料水には、とても多くの種類があり、細かく分類すると1000銘柄以上の飲料水が流通していると言われています。
近年では、スーパーやコンビニエンスストアに行けば、「ミネラルウォーター」「天然水」「海洋深層水」「水素水」など、多種多様な水を手に入れることができ、水を購入する人が年々増加しています。
こうした背景には水道水の安全に対する不安と味がまずい(塩素のニオイも含む)不満からくる部分が大きいでしょう。スーパーなどでよく目にする天然水には「富士の天然水」「南アルプスの天然水」などラベルき記載されている表記名だけで飲んでみたくなる惹かれる魅力があるものもあります。
また最近では天然水にほんのりと天然の果汁成分を含ませた「天然水+レモン」などの飲料水も大変人気です。そうした天然水ですが、日本では農林水産省が「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」により、ミネラルウォーターを4つの種類に分類しています。知っておくことで自分に合った水を選択する際に役立ちます。
以下の説明は、品質表示ガイドラインをわかりやすくするために簡略化したものです。
ナチュラルミネラルウォーター
ナチュラルウォーターのうち、地表から地下へ浸透し、移動・滞留中に地層中のミネラル成分や、天然の二酸化炭素が溶け込んだ地下水。濾過・沈殿・加熱殺菌以外の処理をしていません。
※水の美味しさにこだわった加熱処理を行わない「非加熱処理」で水を提供するメーカーもあります。「非加熱処理」の天然水は、水の美味しさに重要とされる溶存酸素が減少しないのが特徴です。
※「非加熱処理加工」には、農林水産省・厚生労働省の審査、許可が必要。
ナチュラルウォーター
特定の水源から採水された地下水を原水とし、濾過・沈殿・加熱殺菌以外の物理的・化学的処理をしていません。
ミネラルウォーター
・ナチュラルミネラルウォーターを原水とし濾過・沈殿・加熱処理の他、品質を安定させる目的などのためにミネラル分調整・ブレンド・ばっ気・複数の水源から採水したナチュラルミネラルウォーターの混合などが行われているもの。
ボトルドウォーター
原水が地下水以外の水、あるいは地下水でも成分を大きく変化させる処理を行ったもの。処理方法に限定はありません。スーパーやコンビニエンスストアなどで購入できるアルカリイオン水やRO水等はボトルドウォーターの分類に入ります。
水の硬度について
軟水や硬水という言葉をよく耳にすると思いますが、基準について知る方は少ないと思います。硬度とは、ミネラルウォーターをその成分で分類するときに「硬水」「軟水」という言葉を使います。硬水・軟水の基準には「硬度」と呼ばれています。
硬度とは、水の中に含まれるカルシウム濃度およびマグネシウム濃度で表される指標、算出基準は国により異なります。日本では、「カルシウム濃度(mg/l)×2.5+マグネシウム濃度(mg/l)×4.1」で算出されます。一般的な基準値では、硬度100以下「軟水」、101~300「中硬水」、301以上「硬水」というのがおおよその目安になります。
硬水に含まれるカルシウムやマグネシウムは地下の岩石から時間をかけて溶け出したものです。従って、日本のような島国は滞留年数が短いため地下水の硬度は低くなる傾向にあり、ほとんどの水が軟水です。
軟水の特長
人の味覚には個人差があるので一概には言えませんが、日本人になじみのある水のほとんどが軟水です。軟水はまるみがあり飲みやすいのが特徴。和料理や緑茶をいれたりするのに適していると言われています。 妊娠中のママや赤ちゃんには軟水を使うようにしましよう。
硬水の特長
欧米のナチュラルミネラルウォーターの多くは硬水に分類されます。スーパーやコンビニエンスストアで輸入ミネラルウォーターのラベルに記載された硬度を確認してみると数値が高いのが分かります。日本のミネラルウォーターと見比べてみると違いがよく分かります。
スポーツ後などに不足しがちなミネラルを補給する目的で摂取するのに適しています。 硬度が高いほどくせが強く感じます、軟水になれた日本人には飲み辛く感じる方もいると思います。
中硬水の特長
軟水と硬水の間の性質を持ち、適度な量のミネラルを補給できる水です。西洋風料理や濃くて苦みの強いエスプレッソなどに相性が良い。
天然水やミネラルウォーター、ボトルドウォーターといろいろな表記がされた水が販売されています。スーパーやコンビニエンスストアで水を購入するときやウォーターサーバーを注文するときの参考にして下さい。
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